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知っておきたい税務知識

2009年12月2日        

    課税対象の性質の違いにより、中国の税金は大きく流通税、収得税、資源税、財産税、特別目的税の5種類に区分されます。更に細かく分けますと、約20以上の税目がありますが、税収構造の中心となるのはやはり流通税です。

    流通税は、資産(財産)の権利移転に対して課する税金です。中国の流通税には、主に消費税、増値税、営業税及び関税の4つの税目があり、そのうち消費税、増値税及び営業税の3税目だけで税収の7割近くまで占めています。増値税及び営業税の課税対象は、日本の消費税とほぼ同じですが、日本の消費税が間接税であるのに対し、中国の増値税及び営業税は所謂「税の痛み」の薄い直接税に属します。増値税は、物品の販売及び加工、修理・補修といった役務の提供に対して課す税金であり、営業税は、加工及び修理・補修以外の役務の提供並びに無形資産の譲渡、不動産の販売に対して課す税金です。一方、中国の「消費税」というものは、名称こそ日本の消費税と同じですが、実質的には1989年まで実施されていた日本の旧物品税にあたり、個別のいわゆる贅沢品・嗜好品の国内生産、委託加工、輸入のみに課す税金です。また、中国関税は現段階では、輸入に対してだけでなく一部輸出にも課す税金です。上記4税目の流通税のうち、消費税と増値税及び関税は国税であり、営業税は地方税に属します。

    収得税は、自然人及び法人その他組織の収入(所得)に対して課す税金です。日本では、所得税、法人税及び事業税がそれにあたりますが、中国では農業税及び農業特産物収入税が廃止されてからは、個人所得税、企業所得税及び牧業税の3税目しか残っていません。個人所得税は日本の所得税にあたり、居住者が取得する全ての所得及び非居住者が取得する国内源泉所得に対して課す税金です。また、企業所得税は日本の法人税に相当し、居住者企業が取得する全ての所得及び非居住者企業が取得する国内源泉所得に対して課す税金です。外資導入奨励策の一環として中国は2007年前外商投資企業及び外国企業に対して内資企業と異なる単独の所得税徴収制度を実施してきましたが、2008年1月1日以降、新しい「企業所得税法」が施行されたことで外商投資企業及び外国企業は、内資企業と同じ「企業所得税」が適用されるようになりました(中国との間に租税条約が締結された外国の企業には当該条約が適用される)。一方、牧業税は、中国全土で施行されているのではなく、一部の省・自治区に限定されています。

    財産税は、自然人及び法人その他組織が所有する資産(財産)を対象に課す税金です。日本では、相続税や贈与税、地価税などがその代表ですが、中国では厳格に言えば、今の不動産税(2009年1月1日より外商投資企業及び外国企業・外国人にも適用されるようになった。)、土地増値税、契約税及び車輛船舶税(2007年1月1日より外商投資企業及び外国企業・外国人にも適用されるようになった。)の4税目のみが財産税に該当します。

    資源税は、特定の自然資源または社会資源を利用する際に課す税金です。今の都市郷鎮土地使用税、耕地占用税及び原油や天然ガス、石炭、有色金属鉱石、塩などに対して課す資源税がそれに当たります。

    また特別目的税は、国が特定の目的を実現するために徴収する税金です。ちゅうごくでは、現行の固定資産投資方向調節税(内資企業にのみ適用する。)、都市維持建設税(一部地区を除き、外商投資企業には適用されない。)、教育付加税(一部地区を除き、外商投資企業には適用されない。)、車両購入設置税、トン税、煙草税、印紙税、宴席税などがそれに当たります。

    財産税、資源税及び特別目的税は合計して税収の一割にも満たないものの、税目が多く、関連制度の改廃が早いのが実情です。

     上記5つの分類は、無論理論上のものに過ぎず、実務上、特に財産税と特別目的税及び資源税については中国税務当局としても明確に区分しているわけではありません。各税目の徴収に関してはそれぞれ、中央または地方レベルの法令が公布されており、それが根拠となっています。また、税金の徴収及び納税などの諸行為・手続きは、「中華人民共和国税収徴収管理法」(日本の国税徴収法に相当)及び実施細則に沿って適正化されています。ただし、社会状況が異なるため、税目や税の徴収方法を含む徴税制度については日中両国に大きな違いがあるだけでなく、納税制度に関しても相違は少なくありません。例えば、日本のような特典を受けられる青色申告制度は中国にはありません。そもそも中国では、法人や個人事業者などが自ら帳簿関連書類を備えたり、記帳したりすることが法定義務化されているので、納税者にそのような特典を与えることなど、中国の税法制定者は初めから考えていないのでしょう。また、日本の還付を伴う確定申告制度に類似する制度は中国にあることはありますが、あくまでも法人及びその他の組織に適用されるもので、個人は対象とされていません。

     さて中国の優遇税制ですが、税目は5種類20いくつあっても、結局、税優遇の角度から見た場合、外商投資企業及び外国企業にとって最も影響の大きいのは、やはり企業所得税でしょう。新「企業所得税法」施行後、これまで30年近く実施されてきた対外商投資企業・外国企業の所得税優遇制度は廃止されました(西部地区に設立した外商投資企業は2010年まで引き続き所得税優遇制度を享受するが、既に減免税待遇を受けている外商投資企業に対しては、最長5年を移行期間として段階的に廃止される。)。従来の投資地域や生産型、技術・知識集約型、投資総額・周期及び経営期間といった諸条件を重んじる優遇税制に比べると、新「企業所得税法」は、減免税制度を適用する農林漁業、牧畜業及び国の重点インフラ整備プロジェクトの具体的な分野または内容を明確化にした上、更に環境保護・省エネ・節水事業の優遇税制、技術譲渡所得の減免、資源総合利用所得の課税控除及び環境・省エネ・節水・安全生産などのための専用設備投資、企業の新技術・新工程な研究開発費及び国が奨励する起業投資への課税控除、固定資産減価償却期間の短縮などの優遇措置も定めています。

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